2019.1.4~6 黄連谷 左俣

Alpine (Winter)

【日程】2019.1.4〜6

【場所】甲斐駒ヶ岳 黄蓮谷 左俣

【メンバー】 Mitsu(会外)Chim

【種別】アルパインアイス

【目的】日本を代表するアイスルートを登る

(報告者:Mitsu)

昨シーズン登って、アプローチの長さにしばらくいきたくない…なんて去年は思っていたものの、年末年始でどこかに行きたい…とChimからのお誘い。3日間スケジュールがあってルートっぽいところ…
黄蓮やん…そんな訳で、最初は気乗りしなかったが計画を具体化するうちにスイッチが入ってしまい今シーズンも行くことになりました(・∀・)

初日は5合目までなのでゆっくりめにスタートで竹宇神社を出発。

刃渡りは昨年より雪が少ない。当然アイゼンの出番はなし。

刀利天狗の神社。ここまでくれば5合目まではあと少し。重たい荷物に、少々疲れ気味…
肩が痛いの(*´ω`*)
5合目は去年同様雪はほとんどなし…ん?駐車場で多少は雪あるよ!なんて下山してきた人に聞いたので水を持たなかったけど…どーしよ…
ちなみに、去年も何とか雪をかき集めて水を作ったものの、黒いツブツブ & カラマツの葉っぱ入りの南アルプスの天然水を飲んだ苦い経験がある…
今年もか…何とか吹き溜まりの雪を集めて水を作ったものの、去年にも勝るとも劣らないツブツブ入りだ…Chimと無言で顔を見合わせる…飲みたくないね…Chimは無言で首を縦にふる…こんな野蛮なChimでもそう思うんだ…
それでもザックを探ったら未使用の手ぬぐいが出てきた!よし、これで濾そう。
作戦は大成功でとても綺麗な南アルプスの天然水が出来上がった。その瞬間2人の曇った顔は晴れ晴れしくなった。今年一番嬉しく思った瞬間だ!
腹ごしらえをして、呑んで早々に就寝。

アプローチは去年行ってるのであまり心配はなかった。5時過ぎに出発し6合目辺りから下降して坊主の滝の下に出た。懸垂もなく、まずまずのルーファで夜明け前の6時半前くらいに取り付き到着。

まずはアックスを振って氷のチェック。すこぶるココンディションはいい。程よく堅いいい氷だ!

少し休憩して支度をしながら夜明けを待つ。そして、クライム・オン。坊主の滝を登ると、滝の上に出てきたパーティが3パーティほど…
やっぱり年末年始休暇だし人が多い…若干の不安を感じながらもその上はフリーでサクサク上がっていく。

二俣ここで、左俣と右俣に分かれる。確認できる限り、全てのパーティが左俣に…

小滝の連続だが、寝てるのでフリーで問題ない。

チムニー滝 はⅣだったかな⁈後続はまだきてなかったので少し休憩をしてたら先を越されてしまった…
振り返ればここで、先に行くべきだった…右のラインもいけないことはないが、落氷がガンガン落ちてくるので少し待たされる…

チムニー滝リードする私。

チムニー滝を上がると寝た何段階かに重なった100mほどの滝が続く。
ここはロープは出したままだったのでここはコンテで進む。

おぉ〜…やっぱり大滝のスケールは凄い!

右と左のルートに先行パーティが取り付いていた。流石に距離が近いので真ん中のラインは…って思っていた矢先…後から来たJECCのパーティがサクッと真ん中のラインに取り付いた…後続も続々と来ていたので今思えば仕方ないのは、話しは別として登るスピード、技術が半端ない…1p目はスクリューを3本ほど…上には上がいるのは当然だがあまりにものレベレの違いにとてつもない劣等感に苛まれる…なんか、敗退した気分に近いものがあった…このメンタルはこの後も1週間ほど続き、下山後Kenに泣きついたほど…

まぁ、それはさておき大滝の2p目はChimのリード。これがアイス初リードとなる。
そして、大滝を登り終えた私。まだまだ、この時は元気が残ってる(笑)

そして、最後の滝。去年もそうだったけど、ここまでほぼオールリードで登ってきて、メンタルもボロボロだし最後の滝はChimにリードを任せた。

何度かテンション入れながらも登っていく。若さってすごいな…

最後の滝を登り切って本日の登攀のセクションは終了。去年はここから先でシャリバテでへばったからちゃんと腹ごしらえをする。

固いところもあるが、踏み抜きになる事もしばしば…踏み抜く度に体力が奪われる…

唯一の救いは風は大して強くない。寒くもなく程よい気温だ。

稜線まで長いよぉ〜。もうお家に帰りたい…

尾根に上がってからしばらく腰上のラッセルが終始続き、ヘロヘロで稜線に到着…
最近サボっているせいか、かなり体力が落ちてる…もっと精進せねば…

今宵の宿は七丈小屋へ。大ファンな花谷さんに会いたかったのと、Chimの知り合いが働いてるので迷わず、2日目は小屋泊を選択した!
ここのカレーは最高です…この日は花谷さんの関係者も多くお見えになっていて、ヒマラヤキャンプの映像、冬の滝谷の映像など上映会があってとっても楽しい夜が過ごせた…

翌朝も天気はバッチリ!この、年末年始休暇はホントに天気に恵まれた最高の連休となりました^ ^

アイスクライミングの名ルート黄連谷。今回遡行した左俣は登攀的なルートで大小様々な滝が次々と現れ飽きさせない。このスケールの谷はどことも例えることができない広大で素晴らしい。遡行できる季節が限られているのでとても希少で価値のある山行となった。

下山はあっという間の下山で10時頃には下山して、連休最終日は下界で有意義に過ごすことができました。
おしまい